超音波検査（エコー検査）は、乳房（主に乳腺）の状態を調べる検査です。
この検査は特に腫瘤（しこり）を作るタイプや、僅かの引き攣れを症状とする病変を見つけるのに優れています。特に、乳腺の密度が高い若い女性の乳房での病気の発見に有用です。放射線を使用しないため被曝がなく、妊婦さんや授乳中の方でも安心して受けていただけます。
乳がんの有無の検索に有用ですが、のう胞や線維腺腫といった良性腫瘍も多く検出されます。
マンモグラフィのような乳房の圧迫を必要としないため痛みはありません。
妊娠経験が無い方や初産年齢が高かった方、初潮が早かった方や閉経が遅かった方、肥満の方、乳がんにかかられたご家族がおられる方、このような方に乳がんが発生しやすいといわれており、定期的な検査が望まれます。マンモグラフィと併用することで、さらに発見率の上昇が期待されます。

超音波検査はマンモグラフィー検査やMRI検査のように静止画で診断を行う検査ではなく、プローブ（超音波検査で用いるヘラ）を検査者が動かしながら動画として診断を行う検査です。そのため、乳房を押さえた時の組織の動きや、細かい歪みなども所見として検査中にリアルタイムにキャッチする必要があり、検査者の力量で検査の精度が大きく左右されてしまいます。院長は現在全国に40～60名程度しかいない乳腺領域の超音波専門医を所持しており、乳腺超音波診断のスペシャリストです。

マンモグラフィー検査やMRI検査のように静止画で診断を行う検査では、別々のタイミングで読影を行うことができるので、2名の医師でダブルチェックをすることが可能です。しかし、超音波検査のように動画で診断を行う検査では2人で同時にモニターを見ていない限りはダブルチェックはできません（エコーの静止画は抜粋画像ですので、後から他の医師が確認しても完全なダブルチェックとはなりません）。そのような問題を少しでも解消できるようにと、当院ではeScreening（イースクリーニング）というAI機能を搭載した最新式の超音波検査機を導入しております。これは、医師が病変を探すのと同時進行でAIも病変を探してくれる機能で、正常構造と異なる部位があると画面上で黄色く光ります。それにより、1人で検査を行った際でも、あたかもダブルチェックを行ったかのように高精度の検査を行うことができます。

超音波検査は動画で行う検査ですので、患者様にご覧いただきつつ一緒に検査を進めるのが理想です。しかし、検査の精度を保つためには、超音波検査機のモニターは検査者の正面に固定せざるを得ず、患者様の位置からはモニターが非常に見づらいのが現状です。そこで当院では天井に患者様用の検査モニターを備え付け、検査中に快適に画像をご覧いただくことが出来ます。もちろん、ご自身の検査動画をご覧になりたくない方は、モニターをオフにすることもできます。