2026年4月26日
こんにちは、院長の吉川です。
「夜更かしすると乳がんになりますか?」これは外来で非常によくいただく質問のひとつです。
皆さんは普段、何時間くらい眠れていますか?私は6時間は確保しようと意識していますが、つい寝る前にスマートフォンを見てしまい、気がつくと夜更かししてしまうこともあります。
では実際のところ、夜更かしは乳がんのリスクを高めるのでしょうか。今回は「睡眠」と「乳がん」の関係について、お話をさせて頂きます。
■ なぜ睡眠不足が乳がんと関係すると考えられているのか
乳がんは、女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受けて発生・増殖することが多いがんです。
一方で、私たちの体には「メラトニン」という、睡眠・覚醒リズムを調整するホルモンがあります。このメラトニンは、夜間に分泌されることが知られています。
夜更かしや夜間の強い光によってメラトニンの分泌が低下すると、女性ホルモンの分泌や細胞増殖に影響する可能性が指摘されています。
■ 実際にリスクは上がるのか?(ガイドラインより)
乳癌診療ガイドライン2022年版によると、一般的な夜更かしについては明確な結論は出ていませんが、長期間の夜勤労働者ではリスク上昇の報告があります(約1.1〜2.6倍)。多くの研究では、10〜20年以上にわたり定期的に夜勤を続けた場合にリスク上昇がみられており、短期間の夜更かしについてははっきりとした影響は示されていません。
https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/e_index/bq9/
■ 夜更かしはどの程度気にすべき?
現時点では、たまの夜更かしは大きな問題はない可能性が高い一方で、慢性的な生活リズムの乱れは健康リスクにつながる可能性があります。
■ 乳がん以外にも影響はある
夜更かしや睡眠不足は、他のがんや高血圧、糖尿病などの生活習慣病とも関連があることが知られています。
■ 今日からできる現実的な対策
・日付が変わる前後に就寝する
・寝る前のスマートフォンや強い光を控える
・できるだけ生活リズムを一定にする
夜勤などで生活リズムを整えるのが難しい方もいらっしゃいますが、その場合でも必ず乳がんになるわけではありません。過度に不安になる必要はありません。
■ 最も大切なこと
夜更かしだけで乳がんになるとは言えませんが、生活リズムを整えることは健康維持にとても重要です。
気になる症状(しこり・痛み・違和感など)があれば、自己判断せずに早めに受診しましょう。不安なことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。