乳がんとお酒|高槻市高槻駅の乳腺外科・乳がん検診|よしかわ乳腺クリニック

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乳がんとお酒

乳がんとお酒|高槻市高槻駅の乳腺外科・乳がん検診|よしかわ乳腺クリニック

2026年3月02日

こんにちは、院長の吉川です。
3月になり、徐々に暖かくなって過ごしやすくなってきましたね。
さて、3月は送別会や早めのお花見など、お酒を飲む機会が増える季節です。私もお酒が大好きで、特にランニングした後のビールが格別です。
酒は百薬の長ともいいますが、量が過ぎれば毒となってしまうことも周知の事実・・・では、お酒と乳がんの関係はどうでしょうか?
今回は、アルコールと乳がんリスクについてのお話をさせて頂きます。
 
 
Arecco L, et al. Association between alcohol consumption and breast cancer incidence and
prognosis: A systematic review and meta-analysis. Breast. 2026 Feb 5:86:104719. 
 
doi: 10.1016/j.breast.2026.104719.
PMID: 41689896
 
 
2026年2月にヨーロッパの研究者から報告された論文です。
これまで世界中から報告された、アルコールと乳がんの関係を分析した論文を厳選し、質の高い37報の統合解析を行っています。この研究手法はメタアナリシスといい、人種や地域、年齢層等の違いによる結果の偏りを、より少なくすることのできる優れた方法と考えられています。
 
合計参加者は約256万人となっており、膨大な人数ですね。
飲酒量のグループは、軽度飲酒(1日あたりのアルコール摂取量 10g以下 = 生ビール小程度)、中等度飲酒(1日あたり10〜20g = 生ビール中1杯やグラスワイン1杯程度)、高度飲酒(1日あたり20g以上 = 生ビール中2杯以上飲む人)の3つに分けられており、それぞれ飲酒しない人と比較されています。
その結果、軽度飲酒でリスク1.13倍、中等度飲酒でリスク1.28倍、高度飲酒では何と1.52倍との結果でした。また、用量依存性(リスクの頭打ちがなく、飲酒量が増えれば増えるほど、リスクも増加すること。)も示唆されています。
 
これらの結果は、お酒好きの乳腺外科医としては残念な気持ちになるのですが、実はアルコールが乳がんのリスクになるということは以前から言われており、乳癌診療ガイドライン2022年版にも記載されています。
 
https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/e_index/bq1/
 
最新の知見に基づく大規模調査で、それが覆らないかと期待したのですが・・・やはり少量飲酒であっても乳がん発症リスクになり得ることは間違いと考えられます。
ただ、いずれの研究も毎日飲酒することを前提としたグループ分けになっており、たまにしか飲まない機会飲酒者のリスクは評価されていません (多くの調査では機会飲酒者はお酒を飲まない人のグループに割り付けられることが多いようです)。評価されていないので機会飲酒が安全かどうかは明らかではありませんが、お酒を楽しむ場合はたまの機会だけにして、少なくとも毎日飲酒するのは控えた方が良さそうですね。
今後、機会飲酒のリスク(安全性?)についての研究報告が発表されることを願いつつ、今回のお話をおしまいにさせて頂きます。
 
 
 

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